経理部門のDXはなぜ重要?経理がDXをおこなう重要性(メリット)と具体的な方法

 各種帳票を始め、書類を扱うことが多い経理部門。
経理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)にはさまざまな方法があり、仕事の効率や経営の意思決定スピードを上げる効果をもたらします。
この記事では、経理部門におけるDXの重要性を整理するとともに、具体的な取り組み方について紹介します。

目次

1.そもそもDXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を駆使して経営のありかたや事業の進め方を再構築するという考え方です。
DXはクラウドやAIを利用するといった技術的なことだと考えられがちですが、それ以上に「デジタルを活用したビジネスの変革」といった意味合いが大きいのが特徴です。

2.なぜ経理部門にDXが重要なのか

(1)テレワークに対応するため

2020年以降、コロナ禍におけるテレワーク推進の流れもDXの一種です。
しかし実際「経理担当は出社しないといけない」という企業が多いのではないでしょうか。
紙ベースの業務やハンコ文化の業務が多い経理部門は、他部門と比べてDXが進んでいないのが現状です。
この状況を打破し、他部門同様テレワークを実施できるようにする意味でも、経理部門のDXは非常に重要です。

(2)業務の属人化への対策

経理業務は専門知識が必要な上、業務が多岐に渡ります。
「決算業務のやり方はAさんしかわからない」「このExcelの元データはBさんしか編集できない」など、特定の業務を一部の人だけが把握している、という状態に陥りがちです。
急な退職者が出た場合に引き継ぎがうまくいかず対応しきれない、という最悪の事態も考えられます。
今のうちから「経理業務をクラウド上で”見える化”する」「業務フローを見直し、電子マニュアル化して誰でもわかるようにする」などのDXに取り組むことができれば、業務の属人化を防止できます。

(3)改正電子帳簿保存法など制度の変化に対応するため

2022年1月の改正で、電子取引はデータでの保存が義務化となりました。
2023年12月31日まで宥恕期間を設けられましたが、これまで紙での保存が認められていたもの(電子メール、WEBサイト、EDI取引(電子データ交換)、クラウドサービス等、データで授受した国税関係書類)について、2024年1月1日以降は【出力保存が原則不可】になります。
これらの改正自体が経理のDXを後押しするものであり、経理部門として対応を急ぐべき部分と言えます。

関連記事:【2022年1月改正】電子帳簿保存法の基本と最新の内容をわかりやすく解説!

(4)「2025年の崖」問題に対処するため

「2025年の崖」とは、”既存のITシステムの課題を企業が克服できずDXを推進できなかった場合、2025年以降に生じる可能性がある損失(リスク)”のことを指します。
2018年に経済産業省「DXレポート」で提示され、大きな話題となりました。

具体的には、

  • 既存システムが事業部門ごとに構築され、全社横断的なデータ活用ができない
  • 既存システムの過剰なカスタマイズによる複雑化&ブラックボックス化
  • データ活用のためにこれらの問題解決や業務自体の見直しをはかりたい一方で、現場サイドの抵抗が大きい
  • 既存の古いシステムを維持するエンジニアが不足している

などが原因でDXが実現できないだけでなく、国全体に大きな経済損失をもたらすと考えられています。
「2025年の崖」問題にいち早く取り組まなければ、市場の変化に対応した事業展開が難しくなってくる、とも言えるのです。
特に「既存システムの複雑化&ブラックボックス化」は、経理部門に当てはまる問題ではないでしょうか。
これを克服するためにも今からDXに取り組む必要があります。

3.経理部門がDXに取り組むメリット

(1)コスト削減

DXの取り組みとして書類のやりとりを電子化することで、用紙代や印刷代、郵送費を削減できます。ファイリングする手間や書類の保管スペースも不要です。
また、現在手作業の業務が多い場合、それらを効率化・自動化することで業務時間の短縮につながり、残業時間や人件費削減にも結びつきます。

(2)業務効率向上

業務量・正確さ・スピードを求められる経理部門ですが、決まった周期で同じ業務を繰り替えることが多い部門でもあります。
他部門のデータ入力とシステム連携させるなど、数字に関する部分の手作業を減らして自動化できれば、ミスや作業負担を減らすことができます。

関連記事:経理部門の業務効率化、何ができる?業務効率化のメリットや方法を解説

(3)ペーパーレス化実現

紙の帳簿書類の場合、印刷代、用紙代、郵送費、保管スペースの確保、ファイリングや封入の手間などが発生しますが、DXに取り組むことはこれらのペーパーレス化にも繋がります。
帳簿書類のペーパーレス化を実現できれば、経理部門でのテレワーク導入や、外部への業務委託なども容易になります。

4.経理部門でDXを推進する方法

ここからは、経理部門で取り組めるDXについて、具体的な方法をいくつか紹介します。

(1)経理関連書類のデジタル化

仕入れ伝票や売上伝票の管理、請求書や領収書の印刷・発送など、経理で扱う紙帳票。
これらは真っ先にデジタル化を進めやすい分野です。
取引先の協力が必要な部分ではありますが、電子帳簿保存法改正の影響で、データのみのやり取りに理解を示してくれる会社がほとんどかと思います。

(2)転記作業の自動化(データ連携)

経理関連書類のデジタル化にあわせておこないたいのが、給与計算や労務管理システム、販売管理システムなど複数のシステムとの連携です。
項目や金額などのデータが自動で転記されるようシステム同士を連携させることで、煩わしい転記作業から解放され、ヒューマンエラーが起こりづらくなります。

(3)経営状況のタイムリーな可視化

書類のデジタル化やデータの自動連携をおこなった上で目指したいのが、経営状況のタイムリーな可視化です。
売上や利益、経費、資金の流入/流出など必要な数字を経営層や経理部門がタイムリーに把握できる環境を整備することで、決算処理の早期完了、スピーディーな経営判断を実現することができるでしょう。

5.経理部門におすすめのDXシステム

経理業務のDX実現にはシステム導入が欠かせません。経理に関係するシステムにどのようなものがあるのか、種類をまとめました。

(1)経費精算システム

社員の経費申請から承認、経理部門での処理などをサポートするシステムです。
会計システムと連携させることで仕訳作成などの業務もまとめて自動化できます。

(2)請求書発行システム

請求書の発行・郵送・管理のためのシステムです。
定期的な請求書類の自動作成や自動送信、郵送代行をおこなうものもあります。
請求書作成や発送の手間を減らせるだけでなく、請求漏れや入金確認漏れを防ぐというメリットもあります。

(3)受発注システム

受注業務・発注業務を電話対応や手入力でおこなっている場合に導入したいのが受発注システムです。
受発注処理や出荷・在庫管理を効率化できます。

(4)会計システム

帳票や決算書などの書類作成、取引記録などを電子的に行なうためのシステムです。
仕訳入力・帳簿作成といった事務作業の効率化、財務諸表への反映、債務債権の管理などさまざまな機能を備えた会計システムが存在します。

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